あの夏の日の花火
それからの私というものは我ながらしつこかった。

ストーカー顔負けでアキに猛アタックしまくること二年と半年。

「いや、俺ロリコンじゃないから」

ってアキがいうから、少しでも大人っぽくみえるように髪を伸ばして、高校生になったらバイトをしてメイクにおしゃれに磨きをかけて。

アキが折れる形で付き合いだしたのが高校二年の冬の終わり。


その頃にはアキは電車で一時間ほどの超有名大学に通うようになっていた。

偏差値バリ高超有名お坊ちゃま大学にアキが通ったのは、アキの夢がNASAだったから。
つまり宇宙飛行士、ではなくて。
ロケットを作ること、だったから。


そのことを聞かされた私は、こっそり英会話のCDを購入したりした。  

アキの家はお父さんがいない。
アキが中学の時に病気だったそうだ。

けどしっかり者だったみたいで、貯金と保険と退職金とで普通に暮らしてはいけるお金は残してくれた。

アキは学費の高い大学に通うために中高は学費の安い公立に通いバイトもしてお金を貯めて、大学に通いながら学費の足しにやっぱりバイトもしていた。

そんなアキだから、ものすごく忙しい。
大学にバイトに勉強に。

それでも時間を作っては私とデートしてくれた。
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