あの夏の日の花火
デートは多くて月に二回。
平均月に一回。

決して多くはないけれど、アキといる時間は楽しくて穏やかで幸せだった。


私のはじめてはどれもすべてアキにあげた。

恋人として手を握るのも。
キスも。
それ以上も。


後悔はしていない。
優しいアキ。
穏やかなアキ。
笑うと顔がくしゃっとなるアキが大好きだったから。



彼に初めて会ったのは私が大学一年の夏。

アキが親友になったと言って連れてきた。



私とは縁のないはずの人。
大会社の御曹司。
モデル顔負けのイケメン。

――結城俊也。


いけ好かない俺様男。

それが私が抱いた最初の印象。
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