あの夏の日の花火
「えーっ！早くしないと待ち合わせに遅れちゃうじゃない！私今日こそエイジ君のこと落とさないとなんだからね！！」

今はエイジ君らしい。
この前まではまた違う名前だった気がするんだけどね。

渡部さんは私と同じ26才。
そろそろいい男の人を捕まえて寿退社したいらしい。
婚活だと言っては飲み会だの週末パーティーだのと忙しそう。

何故私が知っているかって？
それは彼女がいつも社食で話しているのが聞こえてくるからだ。

「わかってますって！」

宥め口調で後輩ちゃんが言う。
けどわかってる？

今私がやっているのがあなたの仕事のフォローだって。

後輩ちゃんの主な仕事は補助業務。
後輩ちゃんは明日の企画会議の資料を準備していた。期限は今日。なのに確認をした私に彼女がした返事は「あ、あともうちょっとなんですけど」だった。

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