あの夏の日の花火
ああ違う。
そんなことよりも今はこれからどうするかだ。

当然マンションは使いものにならないし、ホテルを探す?
でも1日や2日ならともかく、最低でも月単位だ。

もしかしたら不動産屋か大家さんの方で探してくれるかも知れないし、ある程度金銭的な補助もあるかも知れない。
保険金がでるというし。

そう思えば少しはなんとかなりそうな気がしてきた。

けれど、次の瞬間には、首を振る。
私だけならばともかくアキは?
ペット不可のマンションだったのに猫と住める所を探してくれなんて言えない。

よしんば探してもらえたとして数日は確実にかかるわけで、その間アキをどうするのかという課題は残る。

そんなことをぐるぐる考えている私の耳に小さな笑い声が聞こえて、私はその主を見た。

「うち、ペット可だから。大丈夫」

いえ、あなたの家がペット可だとか意味ないから!
……って、そういえばおかしなことも言ってなかった?

確か、俺のマンションの住所を教えたとかなんとか。   
< 41 / 44 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop