わたしの好きな人。
「あー、やっと来た。」
さっきのチャイムは予鈴で5分後に、午後の授業開始のチャイムが鳴る。
急いで教室へ向かって走っていると、宏太が夏海のもとに駆け寄ってきた。
「夏海、数学の課題見せて!次の時間当てられる!」
「はぁ?!あんたまたやってないの?
もう怒られろ!」
「そんな冷たいこと言うなよー。
俺とお前の仲だろ。」
ただでさえ声がでかい、夏海と宏太のやり取りは、廊下中に響き渡る。