大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】

















「おたくのイケメンは、さっきも購買の前で告白されてましたけどー」





屋上につづく階段に座って、苺ミルクをちゅーっと吸っていたら、購買からパンを買いにいって、戻ってきた友達の美優が、からかうみたいにそう言った。




夏休みに入っても、時々補修という名目で通常通り学校がある日がある。

今日が、その日だった。




美優は階段を軽やかにのぼってきて、私の隣に座る。





お昼休み。

私と美優は、この静かな屋上前の階段でお昼を過ごすことが多い。



ちゅー、っと吸いながら美優に向かって首を横に振って、そのまま、甘ったるい液体を飲み干す。


美優は、大きなパンにかぶりついて、満足そうに目をつぶった。

なんというか、豪快な食べっぷりだ。





< 113 / 433 >

この作品をシェア

pagetop