大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
⒋プリーモニションに弱い
◇
夏休みが明けて、
また通常通りの学校がはじまる。
補修がない日は特に何もすることがなくて、ずっと家にいるだけの退屈な日々だったから、学校が始まることをすこしだけ嬉しく感じていた。
美優には、「なんで肌が真っ白なの?ちゃんと夏楽しんだ?」と心配そうな顔をされたけれど、逆に美優はかなり日焼けしていて、笑ってしまった。
千尋とはあれから結局、休みの日に何度か会った。
元気なの?って千尋が私の様子を見に来て、そのまま部屋で一緒にゲームしたり、はまっているジグゾーパズルをしたり。
変わりなく、今まで通りの関係だ。
今まで通り、私の千歳くんへの気持ちを気にかける千尋と、そんな千尋に嘘をつく私。
夏休みに会ってたといっても、後半は千尋がバイトで忙しかったのか会うことができなくて、学校が始まって今日会うのは久しぶりだったりする。
夏休みの課題で分からないことがあって、千尋に何度か、“今日、暇?”とメッセージを送ってみたけれど、“ごめん、暇じゃない”の返事しかこなかったからくじけて、それっきりになっていた。