大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
ぐるぐる、考ている。
今も、ずっと、“百瀬”さん、のこと。
帰れない日はちゃんと連絡する、と別にほしくもない言葉を千尋はつづけて、それから、困ったように、私の頭に手を置く。
その手が、優しくなでるように動く。
千尋の目には今の私はどんな風にうつっているんだろう。
たぶん情けない顔をしている。
どうか、そこから嫉妬の色を見つけないでほしいと思いながら、そんな色、千尋は探そうともしないって知っている。
むなしい、もどかしい。
千尋、嫉妬、してるんだよ、私。