大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】




お昼休みはわりと人がいて騒がしい渡り廊下をぬけて、屋上に続く階段に到着する。

一番上にのぼって座ったら、水嶋君も私と少し距離を開けて隣に座った。




お父さんが作ってくれたお弁当を広げる。
今日はオムライスだ。

お母さんよりお父さんのほうが料理が得意だから、お弁当はいつもお父さんが作ってくれる。

黄色い卵に、丁寧にかけられたケチャップ。パセリもふってあって、お腹のおくの空腹センサーがきゅうって小さく鳴る。


いただきます、と手を合わせたら、隣で水嶋君も、いただきまーすと言っておにぎりを食べようとしていた。




コンビニエンストアのおにぎりが三つ彼の足の上にのっている。鮭と鮭と鮭。

ということは、今食べてるのもきっと鮭。


四つも食べるなんてさすが男の子だと思いながら、好みを訴えかけるようなチョイスに、性格はつかめないくせに、こういうところだけ簡単にわかってしまうのってなんだか変な男の子だと思った。




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