大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】

冷静さを取り戻すために、食べかけのオムライスをスプーンで口に運ぶ。


そんな私をぜんぶ見透かしたみたいに、くすり、と水嶋君が笑う不愉快な音が聞こえて、ぱくぱく、とオムライスを食べる速度をはやめたら、今度は、くすり、じゃなくて、ははっ、てゆるい表情をくずして声をだして笑われた。



「枢木ちゃん、面白いね」

「…馬鹿にしないでよ」

「いやー、わかりやすいなーって思って」

「なにが？」





水嶋君がぐっと私との距離をつめて、その顔がゆるさを残したまま意地悪く笑みをつくる。




枢木ちゃんさー、と間延びしたような声には、いやな後味みたいなものがあって。

それで。