大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
「答えないなら、質問かえるね」
「………、」
―――「枢木ちゃん、百瀬と朝比奈のこと気になってるよね?」
一体全体、彼にはどこまで見透かされているのだろう。
彼は、どこまで知っているんだろう。
“百瀬”の単語に、ひどく動揺し始めてしまう。
水嶋君は知っているの?
知っているから、そんなことを私に聞いてくるのだろうか。
ゆるい表情の中の本物の感情をひとつも探し出すことはできなくて。
だけど、怖い、と千尋に言われてから聞けなかった“百瀬”さんのことを知りたい気持ちは、自分でも気づかないうちに爆発寸前だったようで。
それで、気が付いたら、
「…気になってる」
うなずいていた。