大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
そんなことを考がえていたら、ピコンと携帯が制服のポケットの中で震えた。
もうすぐ本鈴がなって五限目がはじまる。
その前に確認しようとして携帯をみたら、一気にまた苦しさの波が襲ってきた。
さっき水嶋君が話していたことは、一文字一句間違えないってくらいにはっきりと覚えている。
どんな気持ちで私にこれを送ってるんだろう。
【ごめん、今日も帰れない】
千尋からのメッセージにすぐに既読をつけて、【いいよ】とだけ返す。
何に対して謝ってるのかな。
さみしくて弱い私と一緒に帰れなくてごめんってこと?
そんな醜くて黒い感情のもとで推理している自分に悲しくなってくるけれど、さっきの話を聞いたら、どうしてもそう思ってしまう。
【明日からは、また帰れるから】
すぐにきた返信には、もう、既読もつけなかった。
そうやって、気休めなのかなんなのかわからい言葉を付け加えるの、わざとじゃないってわかってるからいっそうたちが悪い。
ちょっとだけその言葉にうれしくなってしまう自分も嫌だし、それを何も考えずに送ってるであろう千尋はもっと嫌だ。