大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
朝から、身体がひんやりと熱を失っていく。
美優の隣の席に座って、数秒、ぼーっとしてしまったら、美優が背中を弱い力でなでてくれた。
私に千尋と百瀬さんのことを言ったのは、美優に悪気があるわけではなく、他意もなく言ったことだと思う。
だから、そんな風に申し訳なくしなくていいよ、美優。
「…なんで、噂になってるの?」
「なんかね、土曜日に二人で買い物してるの見かけた子がいるらしいよ」
「え……」
百瀬さんと二人で買い物?それは、ちょっと予想を超える事実で。
頭の中で白色のペンキが広がっていくような感覚に、ふう、と息を吐く。
ひんやりなんてものではなく、少し寒気がした。