大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
指に伝った透明な水色に眉をしかめながらも、思い切って残りのアイスを口に含むと、二秒ほど遅れて、きーんと目の奥が痛くなった。
ソーダアイスは大好きだけど、この痛みだけはなかなか克服できなくて、今でも立ち止まってしまう。
千尋はそれに気づいたのか、私と同じように歩くのをやめた。
「大丈夫?」
「ん、平気」
「いつも、頭痛くなるよな、虹」
「冷たさに弱いのかも」
徐々に引いてきた痛みに少しだけ安心しつつ、千尋に笑いかける。
そうしたら、何を思ったのか千尋の両手が伸びてきて、私の頭を包んだ。
無表情な千尋の唐突な行動に、よけることもできなかった。