大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】




「な、なに?」



戸惑いながら、千尋を上目でうかがう。

両手で頭をおさえられてる図って、はたからみたら絶対に変だ。




「あっためてあげようと思って」




もしかしたら、もしかしなくても、千尋は馬鹿なのかもしれない。


でも、冗談ではなく、本当にあたためようとしている様子に、どう拒めばいいのかわからなくて、「なおったよ」て言うしかなかった。



アイスの冷たさによる頭の痛みなんて内側で起こることだから、外側をあたためても意味なんてない。

それに、そんなに千尋の手が温かいわけでもないし。





勉強は私より何倍もできるくせに、少し抜けてるところがある。



そういうところが、他の女の子は知らなくて私だけが知ってる千尋のよさかもしれない。







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