大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
「―――私のことは、どう思ってる?」
ぴたり、と止まった頭の上の手。
一瞬、驚いたように千尋は目を大きくさせたけれど、すぐに穏やかな表情に戻って、私の髪をくしゃり、と弱い力でつかんだ。
「――大切だよ」
「………、」
「でも、別に虹に伝わってなくてもいい」
そっと私の頭から手を離して、千尋は目を伏せた。
悲しそうにではなく、どこか諦めたような表情だった。
そのくせ穏やかで、諦めという感情がプラスなのかマイナスなのかわからなくなった。
「.......そ、か」