大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】





ファミレスをでると、もう外は夜だった。



しばらく歩いて駅の方まで行く。

仕事帰りのスーツを着た人たちや,部活帰りの高校生がたくさんいて、放課後のこの時間に駅前にくることがほとんどない私としては、その光景はけっこう珍しかった。



知らぬ間に、きょろきょろと周りを見渡していた私の肩を水嶋くんは、とん、と叩く。

見上げたら、ゆるく笑われた。




それから、「送るー、枢木ちゃんに拒否権はないよー」、といっぺんに言われたものだから、素直に「ありがと、」ってお礼をいって送ってもらうことにする。


駅からはずれたところの暗い道は怖いし、正直水嶋くんがそう言ってくれてありがたかった。










< 289 / 433 >

この作品をシェア

pagetop