大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
我ながら名推理だ。
たぶん、あってるんじゃないかな。
全く違っていたら、呆れちゃうけど。
だけどいい。
水嶋くんのおかげで今、私の腕の中に可愛くて仕方ないカーフィーがいるから、もし水嶋くんが無意識に私のことを利用しているんだとしても、許してあげようなんて、そんな生意気なことを思う。
「枢木ちゃん、今日ありがとー」
「こっちのセリフだよ。…最初嫌がってごめんね、楽しかった」
「ね、しぶってたよなー。でもカーフィーのおかげでご機嫌になったよなー、単純でかわいー。またいこーよ。暇だし」
「それはどうかなあ。でも、ほんとにありがとね。アドバイスとかもくれて」
告白大会はナンセンスかなと思ったけれど、水嶋くんがくれた耳の痛い正論は参考にしようと思う。
もうすぐ家につく。
街灯の光だけで、十分明るくて、隣を歩く水嶋くんの表情までよく見える。
暗がりな夜でも、変わらずゆるく表情をくずしている。