大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
それから、私が腕に抱いたカーフィーの顔をむに、とつまんで、ゆるく笑った。
「俺がクレーンゲームでとってあげたカーフィー大事にしてねー」
今それ言うの?ってタイミングだったけれど、私は特に気にすることもなく、こくん、と頷く。
それと、ほぼ同時だったと思う。
ーーバタン、と再び自分の後ろで音がしたのは。
今度は何にも阻まれることなく振り返ったけれど、そこには誰もいなくて。
夜ってこともあってなんだか怖いから、気のせいだと思うことにする。
水嶋くんに首をかしげてみたけれど、彼はゆるりと笑っているだけだった。