大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】




「購買に一緒にいたり、……ほんと意味わかんない」

「……、」

「いつの間にそんな仲良くなってんの」



やっぱり、あのとき、千尋は気づいてた。

この前嘘をついたのは自分のくせに。私のこと気づかなかったふりをしたくせに。

今更そんなことを言ってくる千尋に、私だって意味分からないって思ってる。





朝から、最悪なムード。

こんな風に責められるなら、一人で学校に行った方がましだ。


目が合わない千尋。
何考えているかわからない。怒ってることしか分からない。





……だから、期待してしまうんだ。

最悪だ。



千尋が、もしかしたら、嫉妬してくれてるんじゃないかな、なんて。

好きだから、無意識に、そうやって期待する気持ちが生まれてしまう。



それでも。






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