大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
もしかして、千尋は千歳くんが好きな人と付き合えたことを知らないのだろうか。
でも、そんなはずはないと思う。
千歳くんが千尋に報告しないなんて考えられないから。
だから、それを踏まえた上で千尋は今、私に言ってるんだろうけど。
ずっと一緒にいたくせに、なんで千歳くんと私の復縁の可能性が0であるって千尋は思わないのかな。それが、やっぱり不思議で仕方ない。
いつも、慰めの向こうに、千歳くんのことを諦めないで、っていうぼやけたメッセージを千尋から感じている。
「戻らないなんて、虹は分かんないじゃん。誰も先のことなんて分からない」
「分かるんだよ、千尋」
「………」
「それにさ、」