大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】




「えっと、これから、ほんとによろしくねっ、千歳くんと、えっと、千尋くんもっ」

「うん、虹ちゃん、たくさん遊ぼうね」

「うんっ」

「千尋も、うん、って今すごい小さな声で言ってたから安心してね、虹ちゃん。三人て遊ぼうね」

「えっと、.......うん」




千尋にもよろしくって言ったつもりなのに、笑顔の千歳くんとは違って、千歳くんの後ろに隠れて顔を見せてくれもしなければ聞こえない声でしか返事をしてくれなかった千尋に、これから仲良くできるか当時の私はすごく不安だった。

だけど、千歳くんがいるから、きっと大丈夫って思えたんだ。






王子様みたいで優しい千歳くんと、千歳くんの後ろでぎゅっと唇をむすんでひとつも笑わなかった千尋。




それが、ふたりとの出会いだった。





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