大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
戸棚に置いた、コックさんの変装をしたカーフィーのぬいぐるみ。
それを見るたびに水嶋くんを思い出す、なんてこともない。
ただ、可愛いカーフィーが手に入って嬉しいだけ。
結局、私と水嶋くんはそこがゴールなんだ。
最後にゆるやかに表情をくずしたあと、水嶋くんは、くるりと私たちに背を向けて帰っていった。
なんだかあっけなかったけれど、それがなんとも水嶋くんらしいなと思った。
百瀬さんのことを大嫌いな水嶋くん。
そのことについては、行く末が気になるけれど、お天気にも季節にも関係なく、結局はふたりだけの問題で、なるようになるんだと思う。
水嶋くんのゆるさ加減が少しうつったみたいな思考の着地に、くす、とひとりで笑ってしまったら、美優に「なに笑ってんの、」とつっこまれた。