大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】





「なんで私のこと知ってるのって感じだけど、山中さんいる?って、いきなり教室にきたんだよ」

「…あ、千尋が美優のこと知ってるのは、私が千尋に結構、美優の話するからだよ。千尋はそれ覚えてたんだと思う、」

「なに、虹。あのイケメンに私のこと話してくれてるんだ、ちょっと嬉しいぞっ」

「……もう、そいうことじゃないでしょ。で、なに?」

「まあ、でね、虹は?っていきなり聞かれたんだよね。初対面だったのに、開口一番それだよ?まず、初めまして、とかいろいろあるじゃん、で、驚いてさ、何も返せなかったら、虹は?ってまた言ってきて。この人、虹は?しか喋れないわけって思ったよ」




その場面を想像すると、ちょっと可笑しい。


でも面白がってる場合ではなく、さっきから、どうして?とかなんで?ってそればっかりが、溢れてる。

きっと、千尋にとっては美優と初対面であったとかそういうことはどうでもよかったんだろう。
甘い顔もつくっていなかったんじゃないかな。


もし、つくったとしても美優には通用しないだろうけど。





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