大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】





違う糸がからんでくる。

分かったから。謎がとけていくから。
呼吸がしずらくなってくる。


千歳くんとその彼女どころでは、ない。



隣で千尋がものすごく怒っている気配を感じながら、もう何を言えばいいのか分からずに、戸惑っていたら、突然、手首をつかまれた。




「え、」


ぎゅっと強い力で。


昼に動物園で私の手を握ったのとは比べものにならない力に、掠れた声をもらしてしまう。

千尋を見上げると、千尋は私の手首をつかんだまま千歳くんにつめよる。

それから、唇をふるわせた。





「ほんと、ふざけんな」





底冷えするような声だった。





千尋がそんな声をだすなんて信じられなくて呆気にとられていたら、力強く手を引かれて、自分の意思とは関係なく二人に背を向けてしまう。

振り向いて千歳くんに視線をむけたら、彼は困ったように苦笑いをしていた。




「ちょっと!千尋、」

「………」





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