大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
美優とは、一年生の模擬店でクレープとたこやきを食べて、それから、三年生のどこかのクラスが理科室をぜんぶつかって作った手の込んだお化け屋敷に三回はいった。
お化けがかなり苦手な私だけど、美優はそういうのが大好きらしく、引っ張られるように連れて行かれて、さすがに3回目では慣れたけわけだけど。
私がお化けが苦手なことを分かっているくせに、ちょっと美優は意地悪だった。
「明日の度胸をつけるのよ」なんて言っていたけれど、絶対にお化け屋敷でつけた度胸は、明日の告白大会では生かされない気がするよ。
「次、どこまわろー?虹、何か食べたいものある?」
一通り一年生と三年生の出し物をまわりおえて、自分たちの階に戻ってくる。
少し避けていた階。
会いたいか会いたくないか分からなかった日々をすごしていたけれど、今日はたぶん会いたくないの気持ちの方が強かった。
顔を見たら、踏ん張れている自分の気持ちがどうなってしまうのか想像できなかったから。
でも、せっかくの学祭で、千尋のクラスには行きたくない、なんてマイナスなことを美優に言うのは嫌だったから、そう言う気持ちは隠すことにした。
とりあえず隣のクラスが企画していた、マジックショーを楽しんで、それから美優についていく形で、廊下を歩く。