大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
「.......ね、千尋、」
「なに、虹」
千尋が振り向く。
たぶん問題を解いてる最中だったんだろう。
少しだけ面倒くさそうに顔をしかめてる。
私はさっき夕方の光に透かしたハートの折り紙を、千尋に見せる。
そうしたら、きれいなアーモンド型の目が少しだけ大きくなったけれど、次の瞬間にはゆるく細まった。
「.......これ、くれたの覚えてる?」
きらきら光る折り紙のハートの向こうで、千尋は私から目を逸らして、指の先に視線をよせた。
それから、小さく首を縦にふる。
そして。