大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
「.......夏祭り、3人でいく?」
もう、半分やけくそだった。
千尋に失望して、投げやりにぶつけた提案に、千尋は当たり前のように首を横に振る。
それから、また優しく微笑んだ。つくりものの、完璧な、表情。
そんな顔を見せられるくらいなら、小さい頃のむずかしい顔をした千尋の方がマシだと思った。
「千歳くんと二人で行ってくればいい」
「なんで、」
「なんで、って理由は虹がいちばん分かってるはずだよな」
「.......そうだね」
本当にいつまで、こんなことを続ければいいのだろうか。
千尋が、私から離れるまでこんなことがずっと続くなら、本当にうんざりだ。
だからといって、離れたいとは思えなくて。
それで、
「.......千尋もそろそろ、彼女くらい作ったら?」
たぶん、時々、間違える。