大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
千尋に視線を合わせて、、恐る恐る表情をう
かがったけれど、千尋はつくりものの笑みを浮かべるのをやめて、目を伏せていて、目が合わなかった。
それから、ふ、と冷めきったように笑う音が聞こえて。
「ーーじゃあ、虹がなる?」
「え、」
千尋が、ゆっくりと伏せた目をあげて、細くて長いまつ毛がゆれる。
その動作を見つめながら、私は千尋に言われたことをもう一度、頭の中で繰り返した。
虹がなる? って彼女に?私が千尋の?
そんな嘘くさい顔で、それを言うの?
戸惑いながら、毛布をぎゅっと握って口を開く。
「.......さっき、千尋が千歳くんと花火見に行けばって、」
「ちょっと虹、待って。なんで、真面目に答えてんの。どう考えても、冗談だろ」
「..............、」