チェリー
窓際の彼
今日から新学期!
すべてが新しく、輝く日!

そして高校生活3年目、つまり最後の年。
私には特別な1年になる気がしていた。



校門をくぐって昇降口まで行くと例年通り、模造紙に新しいクラスの名簿が8学級分掲示されている。

ー和田 加奈子ー

見つけた名前は3組のところにあった。
名前順でいけば大抵一番最後なので探すことに苦労はしない。

「おっはよう加奈子ぉ!」

後ろから急に抱きつかれて自然と笑い声が出た。
声を聞けばわかる、彼女は横山 紗季、私にとって一番の友だちだ。

「どおよ新しいクラスは。加奈子は何組?」

抱きつくのをやめて加奈子は模造紙の前に立った。

私には特別な一年になる。
私のふわっとした感覚は間違っていないのかもしれない。

「紗季。私3組・・・紗季も3組なの!」

今度は私が後ろから抱きつく。

紗季はよっしゃあとすぐに振り返って抱き返してきた。
< 1 / 5 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop