不思議の国の来夢
ユキを仲間に加えた来夢達は、お菓子の森の中を進んでいた。
お菓子の森は、その名の通り全ての物がお菓子で出来ていて、足元の小石すらチョコレートで出来ていた。
森の木の中には、マシュマロが生えていてる物もあり、そのマシュマロをとるとそこからチョコレートが流れ出した。
「この木は、来夢のためにチョコレートを出してくれてるんだね」
なんて子供らしい事を言いだす来夢。
ユキと2人でそれを食べていた。
「美味しい〜」
「美味しいにゃん」
あまりの美味しさに2人の顔は、ほっぺが落ちそうになっていた。
「2人とも、食べてばかりいないで先に進まないと日が暮れてしまうぞ」
小さなおじさんが、いくら注意しても来夢とユキは、パクパクモグモグ食べていて、なかなか先には、進まなかった。
「もうお腹いっぱいだよ〜」
「もう甘い物は、いらないにゃん」
二人がそう言う頃には、すでに日が暮れかけていた。
「なんてこった…日が暮れてしまう」
予定外のことにわちゃわちゃする小さなおじさん…
「お困りかな?」
突然誰かに声をかけられて振り向くと、ピシッとスーツを着たニワトリが立っていた。
「…」
小さなおじさんは、驚きすぎて、言葉が出てこなかった。
「あれ?チキンおじさんどうしたにゃん?」
さっきまで来夢と、一緒に満腹だー。と言って横になってたユキがいつの間にかとなりにいた。
「なんか困ってたみたいだったからね。それよりユキ君は、こんな所でなにしてたんだ?」
「あたしは、来夢をプリンセスにする旅に協力してるにゃん」
ドヤ顔で答えるユキ。しかしチキンおじさんの興味は、すでに来夢に向いておりユキが話終わる頃には、すでにチキンおじさんは、来夢の元に向かっていた。
「君が来夢ちゃん?僕は、チキンって言うんだ。よろしくね」
笑顔で話しかけるチキンおじさん。しかし来夢には、スーツを着たからあげクンに見えていた。
「からあげクンだー」
「えっ?からあげクンじゃなくてチキンだよ」
「だからからあげクンでしょ?」
困った顔で、たずねてくる来夢。
困ったチキンおじさんは、まあいいか。と思い直し、からあげクンと呼ばせてあげることにした。
「ところで来夢ちゃん達は、まさかこんなところで野宿する気?」
チキンおじさんが優しくたずねると来夢は、野宿って何?と返してきた。
「野宿は、外で寝る事だよ」
チキンおじさんが答えてあげると来夢は、急に泣きそうな顔になった。
「外で寝たらお化けに食べられちゃう…」
「にゃはははは」
笑い転げるユキ。
ぶー
来夢は、ほっぺをふくらませて怒っていた。
チキンおじさんも、笑いそうになるのを必死にこらえて1つの提案をした。
「私の卵の家で一晩過ごしませんか?」
その提案を聞いた瞬間ユキは、笑うのをやめてキラキラした目で喜び出した。
「やったーにゃーん」
ユキは、嬉しさのあまり踊りを舞うように飛び回っていた。
「では、私の家にご招待します」
そう言ってチキンおじさんは、1つの卵をポケットから取り出して地面投げた。
誰かの、あっ!
と言う声と同時に卵が割れニワトリ型の家が出て来た。
そしてその家は、みるみるうちに大きくなり一軒家くらいの大きさで止まった。
「さあ、入ってください」
「はーい」
中は、意外と広くキッチンに、ソファー、テーブル、ベッドそしてお風呂まであるとの事だった。
さっそくソファーの上に飛び乗って跳ねるユキ。
ピョーンピョーン
「こらこら…」
嬉しそうに注意するチキンおじさん。
ほんとは、久しぶりにユキと過ごせて嬉しいんだろう。
「ほんとによかったんですか?泊めてもらって…」
申し訳なさそうにする小さなおじさん。
「何言ってるんですか。困った時は、お互い様ですよ。それに私も一人で泊まるのは、寂しいと思っていましたから」
チキンおじさんは、それだけ言って晩御飯を作りにキッチンに入って行った。
トントン…
ジュー…
とてもいい匂いが漂ってきた。
「みんな〜できましたよ〜チキン特製オムライスですよ〜」
チキンおじさんがひよこの形のオムライスを持ってやってきた。
「うまそう〜」
思わずよだれをたらす小さなおじさん。
「おじさん…汚い…」
来夢に注意されて小さなおじさんは、あわててよだれを拭いていた。
ひよこの形のオムライスは、とっても美味しくて来夢は、その日ひよこになってお母さんニワトリを追いかける夢を見ていた。
コケコッコ〜
チキンおじさんの、鳴き声に起こされる来夢。
横を見るとユキは、まだぐっすり眠っていた。
「ユキちゃん起きて。もう朝だよ」
「ん〜もう食べられにゃいよ〜」
なかなか目覚めないユキを来夢は、こちょこちょしてみた。
「ん〜…にゃはははは…ちょ…来夢何するにゃん」
「起きないから、こちょこちょ」
来夢は、すごく悪い顔で答えた。
「おかえしにゃーん」
そう言ってユキも猫パンチをくりだした。
じゃれ合う2人を、チキンおじさんと、小さなおじさんは、微笑みながら見ていた。
「ところでチキンさんは、何故この森に?」
「この猫ハウスの卵をユキの誕生日にあげようと思って森を抜けようとしてたところ迷ってしまい。困ってた時に貴方達に出会ったんですよ」
「なるほど。そうだったんですか。これからどうするおつもりなんですか?」
少し考えるそぶりを見せたチキンおじさんは、窓の外を眺めこう答えた。
「もう少し、外の世界を回って見ようかと思ってましてね。さて、朝ご飯の用意をしますか」
そう言ってチキンおじさんは、キッチンに向かって歩いて行った。
しばらくするとチキンおじさんは、虹色の卵焼きを焼いて帰ってきた。
「さあ召し上がれ、虹鳥の卵焼きだよ」
ユキは、耳をピクリとさせたかと思うと一直線に飛んできた。
「おじさんの卵焼きだーいすき」
パクパク…
モグモグ…
「ふうー。お腹いっぱい」
お腹をさするユキを来夢と小さなおじさんは、目をまん丸にして見ていた。
「あー。体が虹色なのが気になるの?虹鳥の卵を食べると体がしばらく虹色になるんだよ」
当たり前の事のように説明するユキ。
しかし来夢にとって、卵焼きを食べて体が虹色になるなんて想像もつかなかった。
おそるおそる一口卵焼きを食べてみる来夢。
「…うまいー」
あまりの美味しさに来夢は、気を失いそうになっていた。
「そうだ来夢ちゃん、虹鳥の卵は、まだ残っているから持っていくかい?」
そう言ってチキンおじさんは、虹鳥の卵を5つカゴに入れて持ってきた。
「いいの?」
顔から虹が出そうなくらいキラキラした目で来夢は、聞いてきた。
「もちろんだよ」
そう言ってチキンおじさんは、来夢にカゴを持たせてくれた。そのカゴは、来夢にからすれば少し大きかった。
しかし不思議な事に来夢がカゴに触ると小さくなった。
「そのカゴは、不思議のカゴで持ち主の持ちやすい大きさに合わせてくれるんだよ」
「そうなんだー。ありがとー」
「どういたしまして。そうだ、ユキを呼んできてくれないか?」
来夢は、いいよ!と答え、カゴをテーブルに置きユキの元に走り出した。
しばらくすると元の白猫に戻ったユキが羽ばたきながらやってきた。
「おじさんにゃに?」
「お前に、誕生日プレゼントをあげてなかったからな。」
そう言っておじさんは、猫ハウスの卵を、ユキに渡した。
「えっ?ほんとにいいの?こんな高いもの」
目をぱちくりさせて喜ぶユキ。
「ああいいぞ。前から欲しがってたのしってたのに遅くなって悪かったな」
喜ぶユキを見れただけでチキンおじさんの心は、雨の後の晴れた空のような晴れやかな気持ちになった。
「ありがとー。一生大事にするよ」
ユキは、余りの嬉しさに涙を流しながらお礼した。
「この森は、マシュマロの木に沿って行けば出れるから間違っても食べたらダメだよ」
それを聞いて固まるユキ。
「あのね…おじさん…マシュマロ食べちゃった…」
チキンおじさんは、少し呆れた表情を見せた後、ポケットから青い鳥の人形を取り出した。
「これに、お湯をかけ、目的地を伝えると鳥が道案内してくれるよ。気をつけて森を抜けるんだよ」
「チキンおじさんは、一緒に行かないの?」
そう問いかけるユキ。
「おじさんは、もう少し森の観光をしていくよ」
「わかった。チキンおじさんこそ気をつけてね」
ユキと来夢そして小さなおじさんは、チキンおじさんに別れを告げ旅立った。
お菓子の森は、その名の通り全ての物がお菓子で出来ていて、足元の小石すらチョコレートで出来ていた。
森の木の中には、マシュマロが生えていてる物もあり、そのマシュマロをとるとそこからチョコレートが流れ出した。
「この木は、来夢のためにチョコレートを出してくれてるんだね」
なんて子供らしい事を言いだす来夢。
ユキと2人でそれを食べていた。
「美味しい〜」
「美味しいにゃん」
あまりの美味しさに2人の顔は、ほっぺが落ちそうになっていた。
「2人とも、食べてばかりいないで先に進まないと日が暮れてしまうぞ」
小さなおじさんが、いくら注意しても来夢とユキは、パクパクモグモグ食べていて、なかなか先には、進まなかった。
「もうお腹いっぱいだよ〜」
「もう甘い物は、いらないにゃん」
二人がそう言う頃には、すでに日が暮れかけていた。
「なんてこった…日が暮れてしまう」
予定外のことにわちゃわちゃする小さなおじさん…
「お困りかな?」
突然誰かに声をかけられて振り向くと、ピシッとスーツを着たニワトリが立っていた。
「…」
小さなおじさんは、驚きすぎて、言葉が出てこなかった。
「あれ?チキンおじさんどうしたにゃん?」
さっきまで来夢と、一緒に満腹だー。と言って横になってたユキがいつの間にかとなりにいた。
「なんか困ってたみたいだったからね。それよりユキ君は、こんな所でなにしてたんだ?」
「あたしは、来夢をプリンセスにする旅に協力してるにゃん」
ドヤ顔で答えるユキ。しかしチキンおじさんの興味は、すでに来夢に向いておりユキが話終わる頃には、すでにチキンおじさんは、来夢の元に向かっていた。
「君が来夢ちゃん?僕は、チキンって言うんだ。よろしくね」
笑顔で話しかけるチキンおじさん。しかし来夢には、スーツを着たからあげクンに見えていた。
「からあげクンだー」
「えっ?からあげクンじゃなくてチキンだよ」
「だからからあげクンでしょ?」
困った顔で、たずねてくる来夢。
困ったチキンおじさんは、まあいいか。と思い直し、からあげクンと呼ばせてあげることにした。
「ところで来夢ちゃん達は、まさかこんなところで野宿する気?」
チキンおじさんが優しくたずねると来夢は、野宿って何?と返してきた。
「野宿は、外で寝る事だよ」
チキンおじさんが答えてあげると来夢は、急に泣きそうな顔になった。
「外で寝たらお化けに食べられちゃう…」
「にゃはははは」
笑い転げるユキ。
ぶー
来夢は、ほっぺをふくらませて怒っていた。
チキンおじさんも、笑いそうになるのを必死にこらえて1つの提案をした。
「私の卵の家で一晩過ごしませんか?」
その提案を聞いた瞬間ユキは、笑うのをやめてキラキラした目で喜び出した。
「やったーにゃーん」
ユキは、嬉しさのあまり踊りを舞うように飛び回っていた。
「では、私の家にご招待します」
そう言ってチキンおじさんは、1つの卵をポケットから取り出して地面投げた。
誰かの、あっ!
と言う声と同時に卵が割れニワトリ型の家が出て来た。
そしてその家は、みるみるうちに大きくなり一軒家くらいの大きさで止まった。
「さあ、入ってください」
「はーい」
中は、意外と広くキッチンに、ソファー、テーブル、ベッドそしてお風呂まであるとの事だった。
さっそくソファーの上に飛び乗って跳ねるユキ。
ピョーンピョーン
「こらこら…」
嬉しそうに注意するチキンおじさん。
ほんとは、久しぶりにユキと過ごせて嬉しいんだろう。
「ほんとによかったんですか?泊めてもらって…」
申し訳なさそうにする小さなおじさん。
「何言ってるんですか。困った時は、お互い様ですよ。それに私も一人で泊まるのは、寂しいと思っていましたから」
チキンおじさんは、それだけ言って晩御飯を作りにキッチンに入って行った。
トントン…
ジュー…
とてもいい匂いが漂ってきた。
「みんな〜できましたよ〜チキン特製オムライスですよ〜」
チキンおじさんがひよこの形のオムライスを持ってやってきた。
「うまそう〜」
思わずよだれをたらす小さなおじさん。
「おじさん…汚い…」
来夢に注意されて小さなおじさんは、あわててよだれを拭いていた。
ひよこの形のオムライスは、とっても美味しくて来夢は、その日ひよこになってお母さんニワトリを追いかける夢を見ていた。
コケコッコ〜
チキンおじさんの、鳴き声に起こされる来夢。
横を見るとユキは、まだぐっすり眠っていた。
「ユキちゃん起きて。もう朝だよ」
「ん〜もう食べられにゃいよ〜」
なかなか目覚めないユキを来夢は、こちょこちょしてみた。
「ん〜…にゃはははは…ちょ…来夢何するにゃん」
「起きないから、こちょこちょ」
来夢は、すごく悪い顔で答えた。
「おかえしにゃーん」
そう言ってユキも猫パンチをくりだした。
じゃれ合う2人を、チキンおじさんと、小さなおじさんは、微笑みながら見ていた。
「ところでチキンさんは、何故この森に?」
「この猫ハウスの卵をユキの誕生日にあげようと思って森を抜けようとしてたところ迷ってしまい。困ってた時に貴方達に出会ったんですよ」
「なるほど。そうだったんですか。これからどうするおつもりなんですか?」
少し考えるそぶりを見せたチキンおじさんは、窓の外を眺めこう答えた。
「もう少し、外の世界を回って見ようかと思ってましてね。さて、朝ご飯の用意をしますか」
そう言ってチキンおじさんは、キッチンに向かって歩いて行った。
しばらくするとチキンおじさんは、虹色の卵焼きを焼いて帰ってきた。
「さあ召し上がれ、虹鳥の卵焼きだよ」
ユキは、耳をピクリとさせたかと思うと一直線に飛んできた。
「おじさんの卵焼きだーいすき」
パクパク…
モグモグ…
「ふうー。お腹いっぱい」
お腹をさするユキを来夢と小さなおじさんは、目をまん丸にして見ていた。
「あー。体が虹色なのが気になるの?虹鳥の卵を食べると体がしばらく虹色になるんだよ」
当たり前の事のように説明するユキ。
しかし来夢にとって、卵焼きを食べて体が虹色になるなんて想像もつかなかった。
おそるおそる一口卵焼きを食べてみる来夢。
「…うまいー」
あまりの美味しさに来夢は、気を失いそうになっていた。
「そうだ来夢ちゃん、虹鳥の卵は、まだ残っているから持っていくかい?」
そう言ってチキンおじさんは、虹鳥の卵を5つカゴに入れて持ってきた。
「いいの?」
顔から虹が出そうなくらいキラキラした目で来夢は、聞いてきた。
「もちろんだよ」
そう言ってチキンおじさんは、来夢にカゴを持たせてくれた。そのカゴは、来夢にからすれば少し大きかった。
しかし不思議な事に来夢がカゴに触ると小さくなった。
「そのカゴは、不思議のカゴで持ち主の持ちやすい大きさに合わせてくれるんだよ」
「そうなんだー。ありがとー」
「どういたしまして。そうだ、ユキを呼んできてくれないか?」
来夢は、いいよ!と答え、カゴをテーブルに置きユキの元に走り出した。
しばらくすると元の白猫に戻ったユキが羽ばたきながらやってきた。
「おじさんにゃに?」
「お前に、誕生日プレゼントをあげてなかったからな。」
そう言っておじさんは、猫ハウスの卵を、ユキに渡した。
「えっ?ほんとにいいの?こんな高いもの」
目をぱちくりさせて喜ぶユキ。
「ああいいぞ。前から欲しがってたのしってたのに遅くなって悪かったな」
喜ぶユキを見れただけでチキンおじさんの心は、雨の後の晴れた空のような晴れやかな気持ちになった。
「ありがとー。一生大事にするよ」
ユキは、余りの嬉しさに涙を流しながらお礼した。
「この森は、マシュマロの木に沿って行けば出れるから間違っても食べたらダメだよ」
それを聞いて固まるユキ。
「あのね…おじさん…マシュマロ食べちゃった…」
チキンおじさんは、少し呆れた表情を見せた後、ポケットから青い鳥の人形を取り出した。
「これに、お湯をかけ、目的地を伝えると鳥が道案内してくれるよ。気をつけて森を抜けるんだよ」
「チキンおじさんは、一緒に行かないの?」
そう問いかけるユキ。
「おじさんは、もう少し森の観光をしていくよ」
「わかった。チキンおじさんこそ気をつけてね」
ユキと来夢そして小さなおじさんは、チキンおじさんに別れを告げ旅立った。