オレンジ色のグラウンド
「これ、あげる」



……え?





泣いていた私に声をかけてくれたのは、さっきまでグラウンドで部活動をしていた、知らない男の人。


神田外語大学の学生。



首からスポーツタオルをかけてるその人は
塩キャラメルの飴を差し出してくれている。






「甘いもの食べたら、落ち着くよ」




夕陽に透ける髪は、汗でぬれている。

やさしい瞳、きれいな顔立ち……



  


「あ…りがとう…ございます」

「うん」






その人が私のそばに腰を落として休憩するから、私もなんとなく一緒になって座る。



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