オレンジ色のグラウンド
気付けばまた、頬に涙が流れてる。




そんな私を見て、先輩は私の手を取る。





「え?な、なんですか?」

「ペンとか持ってる?」

「ペン?」






先輩がこくんと頷くから

私はカバンの中から筆箱を取り出した。




先輩はその中からネームペンをとりだすと

私の手の甲に文字を書く。




「I can not ……?」


「うん、それが今の泣いてる君。でも俺が君に勇気を分けてあげるね」





先輩はそういうと私の手を優しく握る。


握られた先輩の指が、notのスペルを隠す。






「I can……」


「そう、できる。俺もここでこうやってたくさんの人と手を握り合って、できるようになったことたくさんあるんだ。手を取り合えば、助けあえるんだよ」


「・・・・」


「俺だって、別に最初からこんな風に考えられた訳じゃないけどさ」






先輩はそういうと、ポンポンと頭をなでてくれる。



「だから大丈夫だよ。自分を信じてあげて」



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