ダンデライオンの揺れる頃
「いかなきゃ……」

ひとりごちて、また、ふらふらと歩き出す。

このまま、街を出れば、もう戻る体力はありそうになかった。

進むのは、自殺行為かもしれなかった。

でも、少女は、まるで何かにすい寄せられるように、歩き続けた。

元気な時には、さして遠いとは思えない距離だったが、すっかり弱りきってしまった今では、果てしない道のりのように思えた。

たどり着くまでに、動けなくなってしまうのではないかと、不安になるほどだった。

けれども、少女は、無心に歩き続けた。

自分の体の中に組み込まれた、本能が、それを命じているかのようだった。
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