ダンデライオンの揺れる頃
あれ、は終わりであり、始まりであった。

皆がそれを知っていて、そして、理解の範疇を超えていた。

醒めている部分の片隅に、あれ、の記憶があった。

崩壊したカテゴリーの末端で、役割が生まれ、それに移り変わっていく。

普遍的であるはずの全ての事称の、組変えが起こる。

それもまた、一瞬であり、素早い。



遅れるのは、認識ばかりだ。

だから、戸惑う。

それだけのことだ。
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