おやすみ、お嬢様
「ですが、大変申し訳ありませんが、まったく興味ありません」

そう言って、榛瑠はにっこり笑った。

「えっ、でも」

「買い物したいなら屋敷に外商よびなさい」

「そういうことじゃなくて!」

「それか、後からタブレットでもお貸ししますよ。私のクレジットナンバーつけて」

「そんなのいらない!私はネットショッピングがしたいわけじゃあ……」

唇で唇をふさがれて言葉が途切れる。バタバタしてみるも事態は悪化。

榛瑠が離れて膝立ちになって私を見下ろした。彼の白い肢体が目に入って思わずぎゅっと目を閉じる。

この人、楽しそうな、人をくうような顔してた!

「かわいいよ、一花」

そう言って、榛瑠は目をつぶったままの私の手を取ると指にそっとキスをした。

「大丈夫ですよ」

「な、なにが?」

顔のすぐ近くに彼の気配を感じた。私の体中でドキドキいってる。

「…ちゃんと、こんなこと、で、時間使うのも悪くないって思わしてさしあげますからね」

耳元で囁かれて、抵抗してもムダだと知る。そして甘い、キスがくる。

……でも、でもね。いつもいつも。少しは私の話聞いてよ。この自己中男ーー。








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