恋はかき氷とともに
「ど...どういうこと?」

恐る恐る私は言った。
だってあんなに楽しく話していたのに。
2人で笑いあっていたのに。

「とにかく、お前は俺にとって友達じゃないんだ!」

貝野は叫んだ。
ふられて友達じゃないって言われて。
今日は散々だった。
モテないって損だな。ちょっと貝野のこと見直してたのに。アドバイスもくれて。

嫌だよ。こんなの。ポロポロ涙が止まらなかった。苦しいよ。悲しいよ。

「きあら。俺ね。きあらは特別な存在だから友達じゃなくて恋人って思ってるんだ。」

急に言われた言葉にビクッと肩を震わせた。
貝野がこんなモテない私を好きなんて...

「でも迷惑だよね!ふられたばっかで勇気づけるために誘ったんだけど。」

それを聞いて違う意味で涙が止まらなかった。

私は気づいたら言っていた。そして、笑っていた。






「私も好きだよ。貝野のこと。」







泣きすぎてかすれた声だった。
でもその声はちゃんと貝野に聞こえていた。


「俺のかき氷食べて。泣かないで。ねっ!」

ぱくっと食べる。その味は甘くてちょっと苦くて溶けていった。

私たちはお互いに手を握って笑いあって帰った。
< 3 / 3 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop