涙空
1
「っ、ふぇ、ぇっ。」
小さな男の子が、医務室の前で泣いている
朝ごはんの時間になっても起きられなかった彼
此処に来て、半月が経つが、学校には通えていない
「りゅぅ、せんせっ?だっこぉ。」
小さな手がだっこしてと必死に伸ばされ
「春、おはよう。おっきしましたね?」
「っ、ふぇ、ぇっ。」
ひとりぼっちの部屋が不安だったのか
「ふぇ、けほっ。けほっ。」
弱い気管支
少しの刺激で、発作を起こす
「ゆっくり、ゆっくりですね。モクモクしますか?」
「りゅぅ、けほっ。おこゆ?」
「ん?」
ポロポロ涙を溢しながら、話をしようとする彼
優しく抱きしめて、落ち着かせ
「あのね、っくん。がんばゆ、ごぁん。ごぁん、なぃ。」
「そうですか、分かりました。」
チックンが苦手なこと
分かっていた
ご飯が食べられないのは、調子が悪いからだろう
だから責めることはしない
だけど、言葉に出来た
「教えてくれてありがとね?」
誉めることは敢えてしなかった
小さな男の子が、医務室の前で泣いている
朝ごはんの時間になっても起きられなかった彼
此処に来て、半月が経つが、学校には通えていない
「りゅぅ、せんせっ?だっこぉ。」
小さな手がだっこしてと必死に伸ばされ
「春、おはよう。おっきしましたね?」
「っ、ふぇ、ぇっ。」
ひとりぼっちの部屋が不安だったのか
「ふぇ、けほっ。けほっ。」
弱い気管支
少しの刺激で、発作を起こす
「ゆっくり、ゆっくりですね。モクモクしますか?」
「りゅぅ、けほっ。おこゆ?」
「ん?」
ポロポロ涙を溢しながら、話をしようとする彼
優しく抱きしめて、落ち着かせ
「あのね、っくん。がんばゆ、ごぁん。ごぁん、なぃ。」
「そうですか、分かりました。」
チックンが苦手なこと
分かっていた
ご飯が食べられないのは、調子が悪いからだろう
だから責めることはしない
だけど、言葉に出来た
「教えてくれてありがとね?」
誉めることは敢えてしなかった
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