これは雨の物語
バニラ
『バニラside』
街から帰るとき気分で遠回りをしただけだった
森を通ってるときに木の幹に倒れている人がいた
死んでるのかと思った
体を揺さぶって起こすときにフードがとれて気付いた
真っ白な髪の毛。この人は、月の民
もしこの日に戻れるなら、私はこの道を通らなかったのに
「ん…」
「おはよう、シラユキ」
「うん…。僕、また寝ちゃった?」
「寝ちゃったね」
「ごめん…」
シラユキはいつも夜の22時になると何をしていようが寝てしまう
そして朝の6時になると自然と目を覚ます
まるでロボットのよう
「マルもおはよ」
「ピィィッ!」
ふふっ
鳥のマルとじゃれあってる姿をみると微笑ましくて思わず笑ってしまう
シラユキがこの家にきて、もう4日経つ
ここでの生活にもだいぶ慣れてきたようだ