これは雨の物語
この家は街から少し離れたところにあって、街までは歩いて1時間くらいかかる
なんでこんな森の中に家があるかっていうとそれには理由がある
私の一家はいわゆる賞金稼ぎってやつで、その中でもけっこう稼いでいる方だった
当時4さいだった私にはそんな力なくていつも見ているだけだったけど、両親と兄はどれだけ稼げるかいつも張り合っていた
そして一番稼げるのがどんな凶悪な指名手配犯より、月の民だった
兄は初めて月の民を見たとき捕らえることよりも、綺麗な真っ白の髪に見とれたらしい
兄はその月の民と友達になり、地上は危なくないと言って月の民をおびき寄せた
そして始まった月の民の虐殺
私は見てられなくて月の民の一人を逃がした
そのとき言われた言葉が今でも頭にこびりついている
「太陽の国の奴ら全員……呪ってやる…!」
15年前のあの日から雨は止まなかった
この雨により作物が育たなくなり人々は餓死していった
私の家族も
今では屋内で作物を育てられるようになり金さえあれば餓死することはない
幸い、私の家にはお金だけはあったから