これは雨の物語
シラユキはきっと何も知らないんだろうな
紋章のことも、それが自分にあることも
「では、警備に戻りますので。不審な者や水の紋章を見かけましたらお呼びください」
「はい。ありがとうごさいます」
ショウオウさん、私水の紋章の持ち主知っているかもしれません
それなのに、それなのに
私も皆と同じように雨を止めてほしかったのに
また太陽を見たいと思っているのに
どうしてシラユキの笑顔が頭から離れないの…
買い物をして街を歩いているとかわいい手鏡を見つけた
そういえば家にある鏡はずっと前に割れたんだった
せっかくだしシラユキの分も買っていこうかな
あ、そうだシラユキの服とかも買わなきゃ
身長も高くないから私の着れてるけど…あのくらいの男の子って成長早いもんね
そういえば今何歳なのかしら
今度聞いてみよう
荷物が多くなっちゃったから帰りは少しリッチに馬車に乗った
もう嫌というほど聞いたこの雨音が、少しだけ心地よくて眠ってしまった