これは雨の物語
バニラをじっと見つめていると違和感を覚えた
「あれ…髪の毛…」
「あ!気付いた?切ってみたの、似合う?」
腰のあたりまであった髪の毛が少し短くなってた
僕はこの綺麗な髪が好きだったからちょっと残念だった
「で、じゃーん!私の毛で作ってみましたー!」
そういって金色の髪を出す
「これはウィッグっていって、何て言ったらいいのかな…髪形を変えられるものです!
これをかぶればシラユキも一緒に街へ行けるでしょ?」
「バニラ…」
僕のために…髪を…
ウィッグを受け取り、抱きしめた
「大事にする…大事にするから…」
「ねぇ、ちょっとかぶってみなよ」
「え?」
「こーやんの!」
バニラにウィッグを奪われ、そして僕の頭でなにかをやっているようだ
「出来た!うん、いいかんじ。ほら鏡で見てみて」
「……すごい」
僕が僕じゃないみたいだ…
ずっと隠してた真っ白な髪の毛
バニラのおかげで初めて気にならなくなった