これは雨の物語
1章





初めて地上に出たとき、僕は驚いた


水が降ってくるんだ


本で読んだ空は青色をしていたはずなのに実際に初めて見た空は灰色で


もしかしたらあそこにあった本は全てデタラメなんじゃないかとか思ったりもした


けれど、どうやらあれは別の本に書いてあった雨というものらしい




あれから7回目の夜がもうすぐ来る


雨はやむことはなくて、僕は濡れないように木の幹に隠れて過ごしていた




< 5 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop