これは雨の物語





フードを深くかぶった


まだ地上に出てから人に会っていない


一人には慣れているんだけど、雨とか風とか僕には初めてだから寒さに耐えられなかった



「…っくしゅ」


「ピィ…」


「大丈夫だよマル。ありがと」



肩に乗ってるマルを撫でる


マルは機械だけど見た目は本物と変わらない


先祖が残した本を頼りに作ったら動物に必要な体温さえ感じられる


マルは暖かいな




火の起こし方は分かるけど、ずっと雨が降ってて木も葉っぱも濡れてて火がつかない


マルで暖をとれるのが地上に出て何より助かったことだ





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