恋の残り香 香織Side
それからしばらくして、健司は香澄の両親に香澄の気持ちに応える事を告げた。

久々に見た健司の姿に二人は驚きを隠せなかった。

死人のような青白い顔色。

頬はこけ、生気すら感じられない。


「どうしたんだ?
大丈夫か?どこか悪いのか?」


香澄の父親が心配して尋ねたが、健司は何も答えなかった。


「もしかして俺達は彼を追い詰めてしまったんじゃないか?
あの年だ、恋人もいたんだろうに…」


後悔してそう呟くと、香澄の母親は


「それが何だって言うの?!
香澄があんな風になっちゃったのよ!
それくらいさせてもきっと罰は当たらない、そうでしょ?!」


とヒステリックに詰め寄った。

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