恋の残り香 香織Side
香澄の両親は居眠り運転の車も、巻き込まれてしまった車もどちらも加害者として届を出すと聞かなかったが、香澄は必死に止めた。
恨みがないと言えば嘘になるかもしれないが、自分と同じ被害者に思えてならなかった。
健司という青年は毎日病院にやってきた。
香澄の両親に何度罵られても毎日毎日通ってくる。
「お母さん、私、あの人に会ってみたい」
香澄がそう言うと、母親の顔色が変わった。
信じられないといった顔で香澄を見ている。
「…お父さんと相談してみるから…」
そう言ったが、何日経っても彼に会うことは叶わなかった。
「私が会いたいって言ってるのにどうして駄目なの?
お母さん達は許せないのかもしれないけど、彼だって被害者だよ!」
香澄が両親に怒りをぶつけたのは、入院して半月が過ぎた頃だった。
香澄の言葉にようやく両親は面会を許可した。
恨みがないと言えば嘘になるかもしれないが、自分と同じ被害者に思えてならなかった。
健司という青年は毎日病院にやってきた。
香澄の両親に何度罵られても毎日毎日通ってくる。
「お母さん、私、あの人に会ってみたい」
香澄がそう言うと、母親の顔色が変わった。
信じられないといった顔で香澄を見ている。
「…お父さんと相談してみるから…」
そう言ったが、何日経っても彼に会うことは叶わなかった。
「私が会いたいって言ってるのにどうして駄目なの?
お母さん達は許せないのかもしれないけど、彼だって被害者だよ!」
香澄が両親に怒りをぶつけたのは、入院して半月が過ぎた頃だった。
香澄の言葉にようやく両親は面会を許可した。