僕と暮らしてくれませんか
だけど、2日泊まってから、事情を聞かれてしまいそうになったんだ。事情を言ったらきっと引いてしまう。実質、「捨てられた」なんて。なんだか気まずくなりそうだったので、野宿をしようと公園にお礼を告げ、俺はその場を離れた。
その公園は人通りも少なくて、ホームレスをするには最適だった。

少し仮眠でも取ろうかと思った時、鼻唄が聞こえたんだ。

その鼻唄の彼女の笑顔に俺は一目惚れした。その子の笑顔がもっとみたい。
そう思った。

しかも彼女の荷物は新家具ばかり。
もしかしたら、一人暮らしを始めるのかと思った。

歳も同じくらいだし、ダメ元で聞いたんだ。

「僕と暮らしてくれませんか?」

と。まさか同じ高校の後輩だとは知らずに。
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