僕と暮らしてくれませんか
「うるさいけど、ちゃんとするときはするやつで、いい奴なんだ。」

彗がそう言って荷物を置く。
靴を脱いで、広い場所にいるとなんだか緊張する。
あっ。

「こうして並んだらやっぱり彗って身長高いね!」

わたしが手で頭を触ると、彼は照れたようにそっぽを向いた。

「…おーい?」

「…っうるせぇー。知っとるわ。」

そう言って赤くなった彗がとても可愛らしい。わたしはくすりと笑った。

「観光、行くか?」

「うん!!」

こうして、私たちの初めての旅行が幕を開けたのだった。
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