僕と暮らしてくれませんか
「彗、なに?

彗もなにか隠してることがあるの?」

彗はこっちを向かない。

「ごめん。

今は言えないんだ。」

彗……。

「わかった。

待つ。だから彗。



こっち向いて?」

わたしは握られた手を強く握り返した。

彗が、こっちを、向く。

「ごめんな。」

初めて聞いた彼のか弱い声。

わたしは彗を抱きしめた。



そして初めて聞いた弱音。


「守るって言ったのにごめんな。」
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