僕と暮らしてくれませんか
その日からだ。



お母様とお父様が今まで以上に、

わたしのことを人間扱いしなくなったのは。

「環っなんで、これが出来ないの?!

出来て当たり前でしょう?!」

そう言われて毎日、毎日、ぶたれた。


ほっぺが…痛いな。

手が、痛いな。

「お、奥様!やり過ぎです!

すこしきゅうけ…」


「うるさいわね!!

クビにするわよ!」

お母様の目は本気だった。

メイドさんや執事に迷惑をかけないようにわたしは一生懸命頑張った。

中学だって日本で1番の女子中学校に合格したのだ。

だけど、


「あたりまえよ。

落ちていたらわたしはあなたを間違いなく捨てたでしょうね。」


……捨てられた方がよかったかも。

そんな風にも思えた。
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